前回の記事ではユーザーエクスペリエンスデザインとは何か、なぜそれが重要なのかという基本的なことを説明してきました。
ここからは、UXデザインにおけるさまざまな役割と、UXデザインプロセスを行う上で、関わっていく人たちについて説明します。
UXデザイナーに共通しているのはどんな人なのか?
UXデザイナーは、マーケター、アーティスト、医者、中小企業の社長、レジ係のお姉さんなど、さまざまな背景知識を必要とする時があります。
つまり同じような職歴を持つというよりも、共通のスキルや興味を持つ必要があります。
その他、UXデザイナーの多くは視覚的なセンスに優れています。つまり、あるイメージが空間に合うか合わないか、どの色がお互いを引き立てるかを認識しているのです。
しかし、UXデザイナーになるために、グラフィックデザインの知識や絵を描ける必要はありません。
UXデザイナーは、人に興味を持ち、人の心の動きを考えるのが好きであれば十分なのです。
また、人々がどのように製品を使用しているのか、そしてその製品をより使いやすくするにはどうしたらいいのかを考えるのも好きです。
UXデザイナーは共感力もあります。
共感とは、ある状況下で他人の気持ちや考えを理解する能力のことで、UXの主要な部分を占めています。
先ほど、「公平なデザイン」「すべての人のためのデザイン」という話をしましたよね。
すべての人のためにデザインするためには、どんな状況でもその人がどのように感じ、何を考えているのかを理解する必要があるのです。
UXデザイナーの多くがかつてUXデザイナーとしての職歴を有していないのと同じように、UXデザイナーとしての学歴も有していないことが多いのです。
UXデザイナーの多くは、このようなブログ記事やオンラインコースを受講して、エントリーレベルの仕事を得るために必要なスキルを独学で身につけています。
また、他の仕事や趣味で培った経験を活かして、新しいキャリアの基礎を築くなど、かなりの才能を必要とします。
UXデザイナーの仕事内容について
さて、ここまでUXデザインに惹かれる人の共通点について説明してきました。
ここでは、そのUXデザイナーが実際にどのような仕事をしているのかをご紹介します。
デザインというと、製品の視覚的な部分のことだと思われるかもしれません。
しかし、それはUXデザイナーの仕事のごく一部にすぎません。
実は、UXデザイナーには、インタラクションデザイナー、ビジュアルデザイナー、モーションデザイナーなど、さまざまな種類があるのです。
インタラクションデザイナーとは
まず、インタラクションデザイナーについて説明します。
インタラクションデザイナーは、製品の体験や機能をデザインすることに重点を置いています。
ユーザーのニーズやビジネスの目標と、実際に作ることが可能なものをどう結びつけるかを考えます。
私がインタラクションデザイナーであった時は、セキュリティやプライバシー関連のツールの体験設計を考えたりしてました。
私の世界では、常にユーザーが第一です。
ビジュアルデザイナーとは
また、製品やテクノロジーの見た目にこだわるビジュアルデザイナーもいます。
ロゴやイラスト、アイコンなどのデザインを担当することもあります。
また、フォントの色やサイズを決めたり、製品のレイアウトを考えたりすることもあります。
モーションデザイナーとは
また、モーションデザイナーもUXデザイナーの一種です。
ユーザーが製品の中を移動するときの感覚を考えたり、アプリやWebサイトのページ間をスムーズに遷移させる方法を考えたりします。
グラフィックデザイナーとは
UXデザイナーと同様に、ストーリーやメッセージを伝えるビジュアルを作成するグラフィックデザイナーもいます。
グラフィックデザイナーは通常、招待状やポスターのような物理的な製品の外観を担当しますが、UXデザイナーはユーザーが製品をどのように操作するかに焦点を当てます。
デザイン以外にも、UXの分野ではさまざまな役割があります。
UXデザイナーの仕事では、コラボレーションが重要な役割を果たします。
UXデザイナーと関わりのある職業の人たち
そこで、デザイナーが一緒に仕事をする可能性のある代表的な関係者をいくつか紹介しましょう。
UXリサーチャーは、人々がどのように製品を使用しているかを知るための調査やインタビューを行います。
また、UXライターは、ユーザーエクスペリエンスをより直感的にするために、製品内の言語をいかに明確にするかを考えます。
例えば、ボタンのラベルを書いたり、トーンをフォーマルにしたりフレンドリーにしたりといったことです。
次に、プロダクションデザイナーです。
インタラクションデザイナーとエンジニアの橋渡しをします。
最初のデザインと最終的なデザインが完成品の資料で一致しているかどうかを確認し、アセットがエンジニアリングチームに引き渡される準備ができているかどうかを確認します。
アセットとは、テキストや画像から、フォントのスタイル、色、サイズ、間隔などのデザイン仕様まで、あらゆるものを指します。
ここで、UXデザイナーが最も頻繁に仕事をするグループの一つであるUXエンジニアの話になります。
UXエンジニアは、デザインの意図をウェブサイトやアプリなどの機能的な体験に変換します。
最後に、UXプログラムマネージャーは、便利な製品を作るためのプロセスが最初から最後までスムーズに進むように、明確でタイムリーなコミュニケーションを確保します。
これには、目標の設定やプロジェクトプランの作成などが含まれます。
まとめ
UXデザイナーに向いている人たちは、いろいろなバックグランド知識に対して、常に興味を持っていることが望ましく、多くの人は大学で学んだりするわけではなく、ネットやオンライン授業で知識を会得したり、業務を通じて実践的な知識を得ている。
UXデザイナーの仕事としては、インタラクションデザイン、モーションデザイン、ビジュアルデザイン、グラフィックデザインなどがある。
UXデザイナーの仕事ではないが、仕事として関わるのが、プロダクションデザイナーやUXエンジニアの人である。
この記事では、あなたが目指すべきUXデザイナーの役割と、一緒に働くことになる関係者を紹介しました。
次回は、デザインを通じて優れたユーザー体験を生み出す方法についてご紹介します。