最近、エンジニア、PMを含めてデザインレビューを盛んに行なっている。
デザインレビュー はプロダクトをリリースする上で、仕様漏れや懸念点を認識するためにも非常に重要なプロセスであるのは確かだ。
ただ、エンジニアとPMを含めてデザインレビュー をするとなぜか、議論がはっきりとまとまらないで終始してしまうことが多い。
ところが、デザイナー同士でレビューを行うと特に問題なくレビューが完了する。
なぜ非デザイナーは客観的なレビューができないのか?
こういうと、デザイナーの方が客観できなレビューができないという方がいると思うが、どうか最後まで読んで決めてほしい。デザインレビューで出るコメントとしてこう言ったものがある。
デザインを作成したのでレビューをお願いします。
うーん、このボタンちょっとわかりにくくありませんか?
え・・・?僕はそう思わないですが・・・
いえ、そんなことないですよね?コントラストの差が低いので、ユーザーはきっと間違いますよ
はぁ・・・確かに。。。
このやりとり、一見レビューワーはまともなことを言っているようだが、彼女はあくまでデザインに対する感想を言っているに過ぎないことに注意すべきだ。
いやいや、コントラスト比とかなんかもっともらしいこと言ってるじゃん?
と思うかもしれませんが、コントラスト比が悪いと間違えるという確証はこの時点ではわからないということだ。
別に頻度高く使う機能でなければ、ユーザーはよく見て判断をして失敗する可能性も低いだろうし、ターゲット層がリテラシーが高い人であれば、多少の使いにくさは許容範囲だ。
最も悪いのは、このやりとりにおいてレビューワーが答えありきで意見を言っていることが問題なのだ。このデザインがユーザーのためになるかならないかは、ユーザーに聞かなければわからない。だからこそ、ユーザーテストというものが存在するのである。
良いレビューとは?
では、良いレビューとはどんなやりとりを指すのであろうか?
デザインを作成したのでレビューをお願いします。
うーん、このボタン私にとってちょっとわかりにくく感じるので、もしかしたら、ユーザーも同じようなことを思っているかもしれません。ユーザーテストで検証してみてはどうでしょう?
わかりました、ではユーザーテストを行いますね。
このレビューの良いところは、まず自分の感覚ではわかりにくいと伝えた上で、検証を促している。
検証とはそもそも、不確定要素に対して正しいか正しくないのか判断することだ。
自分の意見も絶対ともいえないし、自分の経験則がすべての人に当てはまることはまずない。
デザインレビュー において自分が使いにくいと思う箇所は、自分の感想を言うのではなく、自分の感想が客観的に正しいものなのか検証する方向に促すだけで、プロダクトの質は格段に良くなる。
是非とも試してほしい。